最期の10年

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アメリカの若者と日本の若者の違い

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最期の10年
Nov 13, 2023
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アメリカの若者と日本の若者の違い
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日本の大学生は在学中に就職活動を開始し卒業する前までに内定をもらうケースが多いです。3月頃に企業側が採用情報を掲載すると会社説明会が始まり、10月までには内定が出て、その次の年の春に入社…というようなスケジュールです。

アメリカの場合、このような一斉の採用は無く、採用は三々五々決まってゆくと考えることが出来ます。実際、大学を卒業する日に自分が行く会社が決まっている人は良いほうです。多くの場合、卒業した後、ブラブラしながら応募することになります。

なまじモラトリアム期間がある関係で、アメリカの卒業生はだらだらした生活に陥りやすく、親元に帰り、オタク化します。日本と違い、みんながそうやっているのでスティグマもありません。この、ゆっくりとした時間が長いのがアメリカの若者の特徴であり、大多数の若者は自分探しを始めます。明快な目的意識を持った若者は少数派です。

目的意識が無いと、焦り、疎外感、無気力といったものに苛まされやすいです。このためブラブラして忙しくないにもかかわらずアメリカの若者は精神的に充実してない日々をすごしがちです。そのような状態で5年、10年と無駄に過ごす若者が後を絶ちません。

これと対照的に日本の若者は(就職をしていない人を別として)新入社員として会社から社会人になるべく教育を施されます。

言い直せば日本の若者のほうが社会人としてのスタートダッシュでは遥かに先を走っているということです。

問題は日本の企業の場合、終身雇用なので若者に大きな責任を任せず、とてもゆっくり教育していく点にあります。つまり本人の持つ潜在能力を会社がフルに開発、活用することなく、むしろ抑圧することで生育を阻んでいるわけです。

やってもやらなくても同じ……そのような諦観は若者を無気力にさせますし「上が詰まっている」という閉塞感は向学心を殺ぎます。

折角、一斉に綺麗なスタートを切った日本の若者が10年も経たないうちに能力面でアメリカの若者に劣後するのはインセンティブ設計が貧弱だからです。就職して5年目くらいまでには若者は実務に習熟(Masterly)し、どんどん仕事をこなせるようになっているはずです。

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